花束を受け取った後、「この花をずっと残しておきたい」と思ったことはありますか。プレス加工(押し花)は、花の形と色を長期間保存する方法の一つです。特別な道具がなくても始められますが、いくつかの手順を守ることで仕上がりが大きく変わります。
プレス加工に向く花と向かない花 ¶
プレス加工に向いているのは、花びらが薄く、水分量が少ない花です。アネモネ、ラナンキュラス、スカビオサ、ビオラなどは比較的きれいに仕上がります。一方、厚みのある花びらを持つバラや、水分が多いチューリップは、乾燥に時間がかかり、色が変わりやすい傾向があります。夏の花では、ケイトウとラグラスがプレス加工に適しています。
プレスの基本手順 ¶
花を新聞紙または吸水紙の間に挟み、重い本や板で均等に圧力をかけます。最初の3日間は毎日紙を交換することで、花の水分を効率よく吸収させます。その後は3〜4日ごとに交換し、合計2〜3週間で乾燥が完了します。乾燥が不十分なまま取り出すと、後からカビが発生することがあります。
和紙への貼付方法 ¶
乾燥した花を和紙に貼る際は、でんぷん糊または専用の植物標本用接着剤を使います。花の裏面に薄く糊を塗り、和紙の上に静かに置いて、上から薄い紙を当てて軽く押さえます。力を入れすぎると花びらが破れるため、指先ではなく柔らかいブラシの背を使うと安全です。当アトリエでは越前和紙を使用しています。
色の変化について知っておくこと ¶
プレス加工後、花の色は多少変化します。青や紫の花は退色しやすく、黄色や白は比較的安定しています。直射日光を避け、UV防止ガラスの額に入れることで、色の持ちが改善します。「完璧な色を保つ」ことよりも、「時間の経過を記録する」という視点で標本を捉えると、変化も楽しめます。
Iron Petal Vistaでは、お客様からお預かりした花束のプレス加工と和紙台紙への貼付、額装を承っています。詳しくは植物標本加工のサービスページをご覧ください。